バカンスいくならニースでしょ。
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天使の入江(1963)
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ニースといえば、ヨーロッパでも有数のバカンスの名所です。
テラスでビールを飲みながら美味しい魚介類を食べるのも最高だし、ただ青々とした海や夕陽を見ながら浜辺をブラブラするだけでも気分が上がります。
この映画を観て、ニースに行こうと思った方も多いはず。
冒頭の印象的なシーンが撮影されたプロムナード・デ・ザングレ(Promenade des Anglais)は本当に綺麗です。目の前に広がる地中海と舗装された海岸線はまさにリゾート。これが19世紀に作られたというから、当時からこの地の気候や風景が人を惹きつけてやまなかったんでしょうね。
この映画の主要な舞台ともいうべきカジノも現在は建て替えられましたが、ファサードの一部は壊されずに残されています。
近代的なリゾート地のイメージが強いニースですが、少し街中を散策すると主人公が定宿にしていた安宿がありそうな旧市街もあり、ビーチとは違った趣があります。
カラフルな黄色の外壁や凸凹の歩道、そしてマルシェ。魚介類や日本ではあまり見かけることのない野菜やハーブが所狭しに陳列されています。もし、キッチンのある部屋を借りたのなら、マルシェで買った食材で何か作るのもきっと楽しいと思います。
そんな楽しいバカンスとは真逆な過ごし方をするのが、この映画の主人公たちです。ルーレットの出目に一喜一憂する彼らのニースでの過ごし方は本当に天国と地獄のようなものです。
この天国と地獄の行ったり来たりが小気味良いテンポで描かれるのがこの映画の醍醐味です。ルーレットに勝ったら高級ホテルで過ごし、すっからかんになったらバーでヤケ酒をあおって次の勝負へ。ギャンブラーの性なのか、テンポが速い編集のせいなのかどうなのかわかりませんが、主人公たちの、特にジャンヌ・モロー演じるジャッキーの気持ちの切り替えの速さには思わず脱帽します。相手を翻弄しながら、自分の欲望だけで動くその存在感は圧巻です。
あらゆる人種を超えバカンスを満喫する場所、ニース。
こういう人が実際にいるのかはわかりませんが、バカンスの季節が始まるとヨーロッパの人は、休暇期間を全力で楽しもうとしています。
実際にニースの浜辺を歩いていると、本当にみんなバカンスを楽しんでいるなという印象を抱きます。そこには人種や職業といったことは全く問題にならず、みんなでこの瞬間を楽しもうという空気感がそこかしこに漂っています。
それは街中のカフェやバーでも同じで、店員の人やお客も皆気さくで開放的です。初対面であっても、ブイヤベース食べたいならあそこのビストロが良いとか、ニースに来たならあそこに行かなきゃなどなど、こっちが聞こうが聞かなかろうが幕立てるような喋りで場を持っていく人たちが沢山いたし、実際に行って来たというと次はあそこが良いよと、こちらの意図とは関係なくどんどん次の話の渦に巻き込まれていく感じは面白いです。
これがバカンスの良さなのかと実感したし、旅の醍醐味の一つだなあと思いました。オススメは夕方の散歩からのテラス席での一杯。最高に気持ち良いですよ!
\ この場所に行ってみたい!/
天使の入江(1963)の作品情報
Runtime80分
Genreラブストーリー
Directed byジャック・ドゥミ
Castジャンヌ・モロー 、 クロード・マン 、 ポール・ゲール 、 アンナ・ナシエ
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