だからベルリンは、いつもフレッシュな都市なのだ。

コーヒーをめぐる冒険(2012)
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ヨーロッパを、いや、世界を代表するコスモポリタン都市・ベルリンの空気感がよく現われている。

大学を中退したのを2年間も親に伝えず、仕送りの学費で無為に日々を過ごす主人公ニコ。
ある朝、彼女がいれる朝の一杯のコーヒーを断って、別れを告げ、そこからニコの奇妙で長い一日が始まる。



ベルリンを縦横無尽に移動しながら、様々な人物とのエピソードが繰り広げられていく。人々がニコに好きなことを話して、好きなようにふるまう。ニコはモラトリアム故の主張のなさからか、いつも受け身の側だ。

だからこそ、私たちはベルリンが構成する人々の顔を、標本展示のように見ることができる。

話が進むにつれて、ニコの窮地は極まっていくが、本人もその予感はもっていたのだろう、
頭を抱えるだけでなかなか打開の行動まではいかない。主人公であるニコの境遇に明るい要素は何もないのだ。


それでもこの映画には通底に明るい雰囲気がある。それはきっと、ベルリンという街がもつ空気のせいなのだろう。

ベルリンには世界中からいろんな人物が集まり、自己を都市のなかで表現している。「自由」は「可能性」に置き換わり、そして人は未来へ可能性を失わない限り、絶望はしないのである。

ベルリンの活気は、開かれた可能性へのエネルギーなのだ。

2007年の映画だが、モノクロで撮られている。このモノクロのぬくもりも、ベルリンの包容力のある温かさをよく現わしている。

ヨーロッパの最先端を観たかったら、ぜひ一度ベルリンへ訪れてほしい。この映画を観てから行ったら、楽しさも増すことだろう。

最後にひとつ、この邦題、なんとかならなかったのだろうか・・・

\ この場所に行ってみたい!/

コーヒーをめぐる冒険(2012)の作品情報

movie


Runtime85分 
Genreコメディ

Directed byヤン・オーレ・ゲルスター

Castトム・シリング 、 マルク・ホーゼマン 、 フリーデリッケ・ペンプター 、 カタリーナ・シュットラー 、 ユストゥス・フォン・ドーナニー 、 アンドレアス・シュローダース 、 アルント・クラヴィッター 、 マルティン・ブラムバッハ 、 ロルフ・ピーター・カール 、 シュテファン・C・ユルゲンス

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