「当たり前」って何でしょう。

グッド・ライ~いちばん優しい嘘~(2014)
の関連場所

スーダンを訪れたことがある人、これから訪れる予定がある人は、そう多くないのではないでしょうか。
もちろん私もスーダンには、行ったこともなく、今の所は渡航の予定のない未知の国です。
だからこそこの映画は、スーダンで起こった事実を知り、遠い国の「当たり前を」知るのには、とても興味深い作品です。

1983年のスーダンの内戦により“ロストボーイズ”と呼ばれる内戦孤児になった兄弟の、実話をベースにした物語。彼らにとっての兄弟とは血縁関係はもちろんですが、難民キャンプを目指して、共に何百キロという砂漠を裸足で歩き、戦火から逃れ、生き延びた兄弟姉妹、仲間たちのこと。

そんな彼らは2000年、アメリカとスーダンの協力で、アメリカに移住するプロジェクトもと、幸運にもカンザスシティへ移住することになります。


彼らの就職を世話することになった現地のアメリカ人女性キャリーは、マクドナルドも電話も知らない彼らが自分の「常識」とは違うトンチンカンな振る舞いをすることに、最初はイラつきを見せます。

もちろん、私自身の目線もキャリーと同じで、彼らがはじめてアメリカ社会で文明に触れる様子は、少しコミカルに見えてクスッと笑えてしまうのですが、親切にしてくれたお礼にキャリーの家までオレンジを持ってきたものの「来る前に電話して!」と怒られてしまったり、スーパーの仕事では、廃棄すべき賞味期限切れの食べ物を、貧しい人に渡してマネージャーに怒られたり、彼らは不慣れなアメリカ文化の中で、いろいろな小さな「失敗」を犯してしまいます。

しかし「失敗」と判断されるのは、どの「当たり前」の中に生きているか次第であると考えさせられるのが、この映画で「旅」を感じるポイントです。

彼らにとって、死と隣り合わせの日々の中で、家族や仲間に愛を注ぐこと、命をかけて仲間を守ること、弱きものに食べ物を分け与え助けることは疑う余地もない「当たり前」なのに、彼らの仲間を思いやる行為は、文化や習慣が変わると周囲に迷惑をかけることにもなりうる。

旅に出ると「常識」や「当たり前」が覆る瞬間が多々あります。

この作品では、過酷な経験をしたスーダンの”ロストボーイズ”たちのあたたかい「当たり前」に触れることができます。

ちなみに、本作でロストボーイズを演じる俳優たちは、実際に元ロストボーイズだった者や、元少年兵だった者が演じています。

なかなか気軽に訪れることができる場所ではないですが、遠い国の文化や歴史を垣間みることができるのが、映画の素晴らしいところだなあと感じた作品でした。

\ この場所に行ってみたい!/

グッド・ライ~いちばん優しい嘘~(2014)の作品情報

movie


Runtime110分 
Genreドラマ

Directed byフィリップ・ファラルドー

Castリース・ウイザースプーン 、 アーノルド・オーチェン 、 ゲール・ドゥエイニー 、 エマニュエル・ジャル 、 コリー・ストール 、 リンジー・ギャレット

+ 続きを読む

(C)2014 Black Label Media, LLC. All Rights Reserved.

コメントを残す

CAPTCHA