青春時代の友との旅は一生の財産だ、ということを思い出した作品。

物語の主人公は、３千万の借金を抱える中、３億円の宝くじがあたった一男（佐藤健）と、起業して大成功を収めているにも関わらず、そのお金を持ち逃げした親友の九十九（高橋一生）。
一男は、姿を消した九十九を追う中で、お金の価値って？家族、友人って？幸せって？そんなことを問うていく作品です。

舞台は主に日本ですが、一男と九十九が大学時代に2人旅をしたモロッコでのエピソードは、物語に重要な意味を与えています。

同じ大学の落語研究会に所属する2人は、旅先で小さな出来事をきっかけに、友情を確かめ合ったり、それぞれの価値観に気づき、その先の歩むべき道を見つけていきます。
九十九はかねてからの「お金の正体を知りたい」という思いから、起業を決意して大学を中退することを、旅の途中で一男に打ち明けます。

親友が遠く離れていくような寂しさを感じながらも、親友の決意を応援しようという思いが入り混じり、モロッコの砂漠の中で、饒舌に語り続ける九十九の最後の落語を、笑い、涙しながら聞く一男のシーンは、人生でそう多く訪れない、かけがえのない瞬間だなあと思います。

私はモロッコには行ったことがないのですが、あんな美しい砂漠で、親友と語り合った青春がもしあったなら、間違いなく人生考えるきっかけになるだろうなあと思います。
旅はどこにいくかも重要ですが、誰と時間を共有するかが思い出を左右しますね。
青春時代の旅は行けるだけ行っておけ！と思った作品です。