世界でも稀な遺跡ポンペイと、イタリアの旅。

ポンペイ(2014)
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イタリア南部ナポリに行くことがあれば、ぜひポンペイにも足を伸ばしてみてほしい。
ポンペイでは約2000年前の古代ローマ遺跡が、時を越えて私たちの前に姿を見せる。

ポンペイ遺跡の奇跡的な保存状態は、その町を襲った悲劇によるものだ。
紀元79年、ヴェスヴィオス火山の噴火により、町は一夜で火砕流の下に埋もれた。それから約1700年ものあいだ、町は灰土の下で眠っていた。

ポンペイには当時の町の施設が、家のつくりが、美しいモザイク画がそのまま残されている。
それは氷河や琥珀に閉じ込められた生物が、当時の姿を残しているのとよく似ている。映画のなかでは、その噴火に向かって話が進んでゆく。
必ず訪れる噴火の悲劇を知っている我々は、登場人物たちのドラマを、あるはかなさを伴った視点から見ざるを得ない。だからこそ、登場人物への感情移入の度合いも大きくなる。

さて、ポンペイの遺跡にはナポリから日帰りで簡単にいける。
電車の車体はヤンチャなナポリっ子たちによる落書きだらけだ。噂に聞いていた通り、ポンペイの遺跡はすばらしい。

タイルの色も残り、当時の人たちがいかに鮮やかな色彩に囲まれて生きていたかがわかる。

そしてポンペイの人々も忠実に再現されている。
というのも、火山灰に埋もれた人々は、自然の作用で石膏のように型がとられているからだ。かつて彼らの身体があった火山灰の空洞を型として使い、ポンペイの人々が死の瞬間どのような姿でいたかが、遺跡のなかで再現されている。こういった遺跡は世界でもとても稀なので、ナポリ方面へ行く機会があればぜひポンペイに訪れてほしい。

映画の舞台であるポンペイからの帰りに、途中下車をして現代のイタリアの町を散歩してみた。イタリアは気まぐれな旅が楽しい国だし、死んだ町のそばにある生きた町を感じたかったのだ。
適当に電車を降りると、そこは高台にあり斜面に沿って町が続いていた。

夕暮れ時で、すれ違う子供たちがとても元気なのが印象的だ。
羽根が生えたように路地を走り、まだまだ遊び足りないといった感じだが、それを母親たちがしかりつけるように呼び戻している。
仕事帰りの父親に手を引かれている子供たちは、対照的に大人しくしている。対照的におとなしくしている。
こういった喧騒は、きっと古代のポンペイでも見られたのだと思う。

小さな商店などが並ぶ石造りの路地を抜けると、広場があった。
イタリアやヨーロッパの街は、中心に広場と協会があることが多い。
そこは人々の憩いの場や情報交換の場所ともなっている。

協会の鐘楼の下で男たちがたむろしていた。
気の合う仲間達と何をするでもなく話しに興じている。
広場にある小さなピッツェリアに入ってみる。椅子が5つくらいの小さな店だ。
アジア人はあまり来ないようで、物珍しそうに見てきた。片言のイタリア語で注文をする。

1枚3.5ユーロ(約500円)の地元価格だ。生地もトマトもフレッシュで、ビールで流し込んだ。
そしてまた電車に乗って、ナポリの宿に戻る。

ポンペイはナポリから、日帰りで簡単に行けるので、
ぜひ訪れてほしい。
そしてできれば、気の向くままにどこかの町を歩いてみてほしい。
旅先の自由時間に出会ったものが、いつまでも印象深く残ったりするものだ。
さあ、あなただけの思い出を作りに、旅へ出かけよう。

\ この場所に行ってみたい!/

ポンペイ(2014)の作品情報

movie


Runtime88分 
Genreパニック

Directed by ポール・W・S・アンダーソン

Castキット・ハリントン 、 キャリー=アン・モス 、 エミリー・ブラウニング 、 アドウェール・アキノエ=アグバエ 、 ジェシカ・ルーカス 、 ジャレッド・ハリス 、 キーファー・サザーランド

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(C) 2014 Constantin Film International GmbH and Impact Pictures (POMPEII) Inc.

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