非日常を楽しむことは旅の醍醐味ですが、どれくらいの程度の非日常を求めているでしょうか。

この作品で描かれる非日常は、旅人にとって最高級のそれかもしれません。

物語は、バンコクを旅するリチャード（レオナルド・ディカプリオ）は、安宿で出会ったダフィと名乗る男から“伝説のビーチ”の話を耳にします。美しすぎるビーチ、全ての日常から解放される楽園。そしてその”伝説のビーチ”の地図を残し、ダフィは変死。リチャードは残された１枚の地図を頼りに”伝説のビーチ”を目指すというストーリーです。

ここまでのあらすじを読むと、宝探しのようなアドベンチャーを想像するかもしれませんが、本作は恋愛、サンスペンス、コメディ（？）など様々な要素が入り混じった、なんとも不思議な作品です。

冒頭のシーンで、バンコクのカオサン通りの屋台で蛇の血を勧められ、飲むのをためらっていたリチャードに、屋台の男がこう挑発します。

“観光客はみんな同じ。安全が一番。アメリカにいるのと一緒だな”

旅に出ると、開放感を求めたり、未知の体験をしたいという冒険心が芽生えますが、この映画ではそんな旅人の欲望を満たす最上級とも言えるシチュエーションが用意されており、蛇の血を飲みきったリチャードの非日常はそこからどんどんエスカレートしていきます…

私も旅先で「あぁ。このまま帰りたくないなあ」なんて思いに駆られることはよくありますが、どれだけの人が実際にそれを実行できるでしょうか。

この映画では、非日常に飛び込むとどうなるのか、そして日常を捨てることによる究極の代償を体験することができます。

映画をきっかけに有名になりすぎた、ピピ・レイ島のマヤベイ

この映画のロケ地として有名になったピピ・レイ島のマヤベイですが、残念なことにこの作品をきっかけに大勢の観光客が殺到し、環境が破壊されてしまったため、2018年6月から立ち入りが禁止となっています。

ビーチの閉鎖期間は延長されており、2021年半ばまでは立ち入りは難しそうです…。
※メインのピピ・ドン島自体への上陸は可能です。

閉鎖解除の際には、しっかり環境を守って訪れましょうね！